頭の中のあかない引き出し

毎日ちょっぴりシアワセを

「MM」を読みました

市川拓司さんの「MM」を読みました。

MM

MM

ネットギャリーでご縁があったので、「MM」を読みました。市川拓司さんと言えば「いま、会いにゆきます」が有名ですが、私は過去に手に入れたまま何年も何年も積んでしまっています。

というわけで、初・市川拓司さん作品でした。

以下、ちょっとした感想。


正直、とても感想が書きづらい作品だった。あまり私には合わなかったということなのかも。

15歳の頃のできごとを、5年後の『僕』が思い返しながら語るかたちで物語が進んでいく。そのせいか、ことばも難しくなくするすると読めた。

イメージしていたよりも青春な小説。『会えなくなるとわかっていても、ぼくはきみを守りたかった‥‥。』というコピーから勝手に、何かすごいことが起こってどうしようもなく切ないことになるんじゃないかと思っていたので、ラストはちょっと物足りなく感じてしまった。すごいことは起こったし、切なさもあったのだけど。

何だかさらさらっと読み終えた感じ。余韻があまり残らない感じ。うれしい気持ちや切ない気持ちがそのまま「うれしい」「切ない」と表現されていたかのような、自分なりの捉え方をする余地がない感じ。

主人公が語る洋画や洋楽の知識もまったくなく、そこでも共感できなかった。与えられたものをただただ読んだ、そんな気持ちになった作品だった。

思うに、この作品の素敵さを感じ取れるピュアさが私には欠けているのだろう。仕方ない!