頭の中のあかない引き出し

毎日ちょっぴりシアワセを

「リバース」を読みました

リバース (講談社文庫)

リバース (講談社文庫)

湊かなえさんの「リバース」を読みました。


主人公の心に今も残る、3年前の悲しい事故について。あるきっかけでその記憶をたどり直すことになり、新しい事実が見えてくる。

ストーリーは、いつものことながら先が気になる流れで、どんどん読める。謎も多く、ワクワクする。

でもそれとは別に、知っている感覚が何度も出てくるのでそこに反応してしまった。

たとえば、理想の自分の扱われ方と現実との違いに折り合いをつけ、適切な居場所を確保していくあの感じ。

たとえば、親友に関する青臭い感情。自分は親友だと思っていても相手はそうではないと感じたり、親友だとしても一番ではないだろうと思ったり、お互いに思っているのに信じられなかったり。そういう不安や劣等感、若かりし頃に自分も少なからず感じたことがある。

湊かなえさんの作品は、読みやすいのに心に長く残る。それはストーリーの面白さはもちろんだけれど、普段わざわざ思い返したりはしないものの確実に知っている感情が、生々しく描かれていて揺り動かされるからかもしれないなと思った。

展開には驚きも何度かあり、面白かった。でも、最近自分が経験したばかりのできごとの記憶のせいで、最後の直前にそのからくりがわかってしまったのがちょっと残念だったかな。あの経験をしていなかったら、きっとラストですごくびっくりしてその衝撃を楽しめたと思うのに。もったいない!


小説を読む時にはできるだけ内容やあらすじを知らないまま臨みたいので、先輩が書いていたレビューは読まず、妹がドラマ版の話をしたがったのも拒否してました。なのでレビューはこれから読ませてもらい、この週末は妹と会えたらドラマ版の話をするつもりです。こういうのも、楽しみのひとつ。