頭の中のあかない引き出し

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「ラストレシピ」を読みました

ラストレシピ 麒麟の舌の記憶 (幻冬舎文庫)

ラストレシピ 麒麟の舌の記憶 (幻冬舎文庫)

田中経一さんの「ラストレシピ 麒麟の舌の記憶」を読みました。11月に映画が公開されるようですね。

前半は、何だか読みづらく、なかなか物語に入り込めず。内容がつまらないわけではない。文章がおかしいわけでもない。なのになぜだろうと思って少し考えてみた。行間に余韻がないというか、一文一文があっけないというか、ただただ淡々と事実を告げられていく感じだからなのかもしれないな、と結論づけた。

そして帯をよく見たら、『「料理の鉄人」伝説のディレクター 衝撃のデビュー作!』と書かれていた。TV番組のディレクターさんをしていたひとだから小説を書くことに慣れていないんだ、この淡々とした感じは台本的だもんねと、台本を見たこともないのに納得したのでした。

だからこの作品はあまり楽しめないまま読み終える気がしていたのだけれど、ストーリーが中盤からえらい面白くなり、後半は淡々とした雰囲気もほとんど気にならなくなった。慣れたのかな?(笑)

最後は『読んでよかったー!』と満足。
料理が繋ぐ絆やレシピに隠された謎、時代をまたいで続いていく感情、明かされる新たな事実。面白かった。

でも、とても失礼なことを書きますが、文章の感じがもっと違ったら、もっともっと気持ちが揺さぶられて感動したと思う。喜怒哀楽すべて含まれている物語なのに、あまりそれがダイレクトに伝わってこなかった。いいお話なのに、もったいないなと思ってしまった。

この作品に関しては、映画の方が感動するのかもしれないと思う。二宮くんがいい表情で演じてくれそうだし。しかし映画の公式サイトを見ていたら、少し展開が違うような気配があったのでどうだかわからない。鎌田正太郎って誰よ。