頭の中のあかない引き出し

毎日ちょっぴりシアワセを

「駅物語」を読みました

駅物語 (講談社文庫)

駅物語 (講談社文庫)

朱野帰子さんの「駅物語」を読みました。

舞台は東京駅。配属されたばかりの新入社員が主人公。過去に自分に優しくしてくれた5人を探し出したいと思いながら、日々頑張っている。

駅員として未熟な上に、さまざまなトラブルが降りかかってくるけれど、怒られても凹んでも、めげない。めげないけれど、自信のなさや心の傷もたびたび顔を出す。読んでいくうちに、応援したくなってくる。

同期の駅員や先輩駅員、主人公が探していたひとたちもそれは同じで、弱いところもあれば強いところもあり。彼らが精神的な課題をクリアしていく様子や、主人公と心がふれあう様子が微笑ましい。

ストーリーは、出くわしたトラブルの中心人物がまさに探していたひとだったり、いい感じに展開が進んだり、少しうまくいきすぎかなという感じがしないでもない。でも毎日たくさん出会った中から、探していたひとたちとの再会だけをピックアップしたお話だと思えばいいのかな。そうでないにしても、このお話はこれくらいでいいのかもしれない。駅は奇跡が起きる場所だから。

盛大に感動した訳ではないのだけれど、読み終えてみると、いい話だったなあと満足が残った。面白かった。登場人物たちの性格がわかりやすく、感情移入しやすかったのも楽しめた要因のひとつかな。あと、マンガになってもしっくりきそうな作品だなーと思った。