頭の中のあかない引き出し

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「未必のマクベス」を読みました

未必のマクベス (ハヤカワ文庫JA)

未必のマクベス (ハヤカワ文庫JA)

早瀬耕さんの「未必のマクベス」を読みました。

帯。帯の文章に影響を受けて買ってしまった。だって、『読後、ただ立ち尽くした』『物語を一緒に生きる という体験』『本の形をしたラブレター』『本書を読んで早川書房に転職しました』とか言うんだもん! 読むよね!?

しかし、今回もまた帯ほどの衝撃は受けずに終わり、少し残念な気持ちに。帯を見なければよかったのかもしれないけれど、この本に関しては帯が無かったら買っていなかったと思う。

読み始め、のめり込むほどの面白さがなかなか見いだせず。600ページほどある長い作品だし、もうやめてしまおうかなと何度か思いながら読んでいた179ページ目、ようやく面白くなった。

登場人物たちの個性がみんな強く、惹きつけられた。それでいて誰もがつかみどころがないような感じで、行動の根拠もうまく理解できないことが多かった。誰を信じていいのかもわからなかった。

ラストは、これでよかったんだなとも思ったけれど、でも切なかった。行動も展開もまさに未必。違う未来を選び取ることもできただろうと思う。それと、最初にマカオで出会ったあのひととは、最後はどんな風だったんだっけ?忘れてしまったし、何だかよくわからないまま読み終えてしまった気がする。

マクベス」の背景が全体的に横たわっているような物語だった。