「螢」を読みました
- 作者: 麻耶雄嵩
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2015/08/21
- メディア: Kindle版
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序盤、主人公が誰なのかいきなりわからなくなり、混乱してしまった。主となる視点で語っているひとが、文の流れからいうとAさんだと思ったのに、そのAさんが急に第三者として描かれている。じゃあこれ語ってるひと誰??と疑問に思うも、それがわからないのでかなりイライラした。もうやめようかと思ったくらい。
それでも、きっとこれは叙述トリックなのだろうと思い、何とか読み進めた。いろいろ勘ぐってしまいつつ。
そこをもう割り切って読めば、ストーリーは面白かった。ただ、全体的にセリフまわしが古くさかったかな。特に平戸さん。大学生あんな話し方しないでしょ。
叙述トリックの内容も、新鮮だった。そういうパターンとはね!
でも序盤から『何かあるんでしょ』という気持ちで読んでいたので、素直に楽しめなくてもったいなかったかな。読後、思い返しながらパラパラめくってみて、書き方にかなり工夫したんだろうなというのが伝わってきた。
終わり方は好きだなー。救いがなくて。想像させる部分もあって楽しかった。確定する要素はないから想像して楽しむだけだけれども。