頭の中のあかない引き出し

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「かがみの孤城」を読みました

かがみの孤城

かがみの孤城

辻村深月さんの「かがみの孤城」を読みました。

2018年本屋大賞受賞作。

読んでよかったーとしみじみ思ったのだけれど、内容に深く踏み込まずにうまく感想を書ける気がしなくて、そうしたらなかなか書く気が起きなくて、1ヶ月以上経ってしまった。


主人公は中学1年生の女の子、こころ。物語が始まって最初の場面は、不登校の日々を送るこころの様子。それを何とかしたいと願う親の様子。その姿は、我が家の長女(不登校ではないものの学校でほとんど声を出せない)と重なり、やきもきする自分の気持ちとも重なり、読んでいて胸が痛むものがあった。

でもそこからの展開はファンタジーで、現実にはあり得ない不思議なことが起こり、こころの生活は激変。謎だらけの城で、ともに行動し心を通わせられる仲間たちにも出会える。

それでも、日常とは完全に切り離されることはなく、現実の部分にはファンタジー感はない。それぞれのつらさや生きていく厳しさや寂しさが見える。

だからこそ、彼らはどうなっていくんだと先が気になり、ただただ読んだ。

彼らの共通点、見えない関係性が徐々に見えてくる。仕掛けが少しずつ明らかになっていくのが読むうち自然にわかり、更に読むスピードが上がる。

仕掛けもラストも、ネタバレしたくないのでほとんど書けないけれど、いい終わり方。切なさとあたたかさと希望にあふれてる。何度も涙でウルウルした。

物語のすべては、読み終えた私の中に。