主人公の久太郎は、
不定期で時間の反復落とし穴に落ちてしまうという体質の持ち主です。
「反復落とし穴」とは久太郎が経験から
命名したもので、ある1日を8回多く繰り返してしまう現象。
どうしてなのか、いつ起こるのかはまったく不明。
一度起こるとあと8周は確実に同じ日を繰り返し、主人公が故意に手を加えない限りは起こる出来事もまったく同じ。
こんな不思議な体質の持ち主が、殺人事件に出くわしてしまうのです。
しかも、殺されたのは自分の祖父。
久太郎は、何とかこれを回避しようとあれこれ手を尽くし始めます。
それでも何度も殺されてしまうお祖父さん。
久太郎が回避すべき行動を取るたびに、登場人物たちの行動も困った変化を起こしてしまう・・・。
久太郎が戸惑う様子や、その都度変化する登場人物の行動が面白い。
同じ1日なのに異なった結果になるという展開も好き。
謎解き感を出しつつ最後にはちゃんと辻褄も合ったし、あり得ない設定でも読んでいて無理を感じませんでした。
この人の作品を読んだのは初めてだったんですが、すごく好きになりそうな気がする。
早く他のを入手したいな。