「漁港の肉子ちゃん」を読みました
西加奈子さんの「漁港の肉子ちゃん」を読みました。
なんか、タイトルのパンチがすごいから敬遠しちゃってたんだけど、もっと早く読んだらよかった。すーごく良かった。
キャラが立ってる。肉子ちゃんはもちろんだけど、周りのみんなも。人間味にあふれていて、身近に感じる。
情景がくっきりと想像できたし、キクりんの心情も伝わり過ぎるほど伝わってきた。表現は平易だけれど、言い回しが豊か。いいなあって思う表現がいくつもあった。
そして小さな描写のひとつひとつが、リアル。わかるわかると頷いたり、昔の自分の醜い心持ちが蘇ってきて落ち込んだり。
完全にまともで普通な人間なんていなくて、大人もこどもも、みんなどこかずれていたり何かを抱えていたりする。町のみんなを見てそう思う。でも、それでいいんだよなあって思えた。サッサンがキクりんにかけたことばが刺さった。
肉子ちゃんの『と読むのやから!』シリーズ、好き。終盤に出てくるひとつには、肉子ちゃんの長年の気持ちがこもっているんだろうなあ。
最後の最後は、ここでそうきたか、と思ってちょっと泣いちゃった。