「重力ピエロ」を読みました
伊坂幸太郎さんの「重力ピエロ」を読みました。
やっと読めた!
過去に2回、挫折したことがあって。どちらも50数ページで読まなくなってしまった。
たぶん前回読んだのは、2007年。水元公園に行ったときの売店のレシートがしおり代わりで挟まってた。レシートの日の日記を見てみたら、確かに水元公園に行っていた。1歳だったこどもと歩く練習をして、風に吹かれて笑うこどもを眺めて、ザリガニを探した。夜には夫婦で「華麗なる一族」3話分観て、あまりに展開がすごいので「これからすごいことを表すときの単位は万俵家にしよう」と決めた。懐かしい。しあわせ。こういう時のために日記を書いている!
…余談過ぎる。
なぜ読まなくなったのかはわからない。こどもが小さくて時間が取れなかったのかもしれないし、コンクールの審査員に腹が立ちすぎてそれを引きずったのかもしれない。
今回は無事に読了したけれど、あまり楽しい気持ちでは読めなかった。出生の過去が辛すぎるのよ。ずっとそれがまとわりついてくる。
兄弟の掛け合いや、父とのやり取りはウィットに富んでいて面白かった。でもかなり小洒落ていて、現実味はちょっと薄かったかな。
放火とグラフィティアートのルールがわかってきた辺りから、展開にスピード感が出て夢中になった。
途中までは挟まってくるエピソードが多く、話の進みが遅い感じがあった。でもそれらがあったから、主人公たちのことばと行動に納得ができた気がする。
チャプターの最後5つ、とても良かった。この兄弟もこの親子も、間違いなく最強だなと思う。