「時の罠」を読みました
アンソロジー「時の罠」を読みました。
お話4つ。こういうのにしては少なめかな。
□辻村深月「タイムカプセルの八年」
最初、あまり楽しくない方向に行くかなと思ったら、小気味いい展開で楽しく読めた。不器用な愛情が、見えないところで届いて作用した感じが嬉しくなった。気持ちの良い終わり方。
□万城目学「トシ&シュン」
昔、図書館で「鴨川ホルモー」を借りたもののイマイチ入り込めず途中で断念したことがあり、万城目学さんには何となく苦手意識が。この作品は無事に読めてよかった(笑)。
設定は変わっているけれど読みやすく、仕掛けも楽しかった。
□米澤穂信「下津山縁起」
淡々とした記述。どこに着地するのかわからないまま読んでいたけれど、意外なラスト。面白かった。読後にじわじわ来る。
□湊かなえ「長井優介へ」
予想外に爽やかな展開。最初の不穏な流れから、イヤな感じで終わると思い込んでいた。優しいどんでん返し。後半の種明かしで心が洗われた。
どの作品もまさに「時の罠」という感じで、楽しんで読めた。