頭の中のあかない引き出し

毎日ちょっぴりシアワセを

「涙香迷宮」を読みました

竹本健治さんの「涙香迷宮」を読みました。

うーん。全体の3分の1ほど進むまで全然面白いと思えなくて、途中でやめようか悩んだくらい。いろはが出てきたあたりから少しずつは楽しめたのだけれど。

帯にやられてしまった感はある。だって、「空前絶後の謎解き!」「このミス2017 第1位!!」「ミステリが読みたい! 2017 第2位」「第17回 本格ミステリ大賞 受賞」「第40回 週刊文春ミステリーベスト10 第3位」と書かれているし、「綾辻行人恩田陸京極夏彦氏 絶賛!」とまで言われたら期待しない方が無理だよねーー。

いやでもよく考えれば、帯は合っている。すごいとか本格とかは言っているけど、面白いとは言ってないもん。確かにすごかったから、間違ってない。

「いろは」の数がまずすごい。これを全部考えたのかと思うと驚いてしまう。そして、その暗号もすごい。「聯珠」の暗号も、聯珠のことはわからないけれどすごいということはわかった。

智久の謎の解きっぷりはスムーズで、どんどん解明されていくので気持ちがいい。ただ、物語に没頭できていないのに話が進んでしまうような感覚があって、謎が出てきては解かれていくのを何となく追いかけているうちにラストを迎えた、という感じ。

「いろは」は本当にすごいと思ったけれど、お話としてはそれほど楽しめなかったな。