頭の中のあかない引き出し

毎日ちょっぴりシアワセを

「サーモン・キャッチャー the Novel」を読みました

道尾秀介さんの「サーモン・キャッチャー the Novel」を読みました。

プロローグ読むだけだとストーリーの方向性がまったくわからず、始まってみれば釣り堀が舞台みたいだし、釣りに興味ない私は、『面白いのかなこれ?』とやや疑心暗鬼に。

でも結果から言うと、大丈夫でした!(笑)
登場人物たちそれぞれの事情がわかってくるし、彼らの行動に繋がりも見え始めるので、そこからは途端に先が気になって一気読み。釣りのこと知らなくても問題なく楽しめた。

ハラハラドキドキするシーンや深刻な場面もあるんだけど、全体的にちょっと遊んでるなって感じがあって。コミカルなところも多かった。小説には珍しく、何度か小さく吹き出したくらい。

意外な展開をこまかく繰り返しつつのラスト。割とみんないいところに着地してて良かったんだけど、ラストの後はどうなったのかな。あれっ終わり?という物足りなさが少し残った。

でもストーリー以外のところでも楽しめたので、読後の満足感は大きかった。
それはヒツギム語。何度も登場してくる異国のことば。ツボにハマってしまい、ずっとニヤニヤしたりプッと笑ったりしながら読んでた。
一番理解に時間がかかったヒツギム語は「アラマタシノ」で、一番好きなヒツギム語は「デマカサズ」です。

昔、ともだちとバル語というのを作って、日本語から変換しては大笑いしていたことを思い出した。青春。


最初の方に、登場人物がタロットカードみたいに描かれているページがある。読む前に見ると『雰囲気があるイラストだな』くらいで終わるんだけど、読み終えてから見ると全部意味がわかるので楽しい。


余談。
タイトルに「the Novel」とついているからノベライズなのかと気になっていたところ、最後に書いてあった。

道尾秀介ケラリーノ・サンドロヴィッチ、二人が打ち合わせを重ねてひとつのコンセプトを創り上げ、』と。映画版の「the Movie」は制作中らしい。それはともかく、ケラリーノ・サンドロヴィッチって誰よ?と思って調べたら、有頂天のケラさんだったのでびっくり。知らなかった!
いやケラさんのこと特に詳しくはないけども。ナゴムレコードの主宰者と知って二度びっくり。


そして超余談。
この本、本屋さんで手にとってしばらく眺めて、買おうかなと思って少し歩いたんだけど、さっきブラシを買ったしなあ…と思ってやめて。
そしたらそれを見ていた次女がこっそり買ってくれていて、お誕生日プレゼントで渡してくれたのでした。うれしかったよ。