最初の感じでホンワカなお話かと思っていたのですが、後半の展開ではちょっと重さを感じるストーリーでした。
何て言えばいいのか、感想を書くのが難しいな。
今までに読んだことのないタイプかも。
ここに出てくる人たちは皆、「常識人」と呼ばれるようなタイプからはどこか外れている部分があります。
誰にでもそういう所はあると思うけれど、その外れている部分が際立って描かれている感じ。
登場人物たちは、それぞれその部分を大切に生きているんだなと思いました。
裏表紙には「心を癒してくれる現代の神話」と書いてあります。
たしかに神話っぽいイメージがあるかも。
でも、ただ単に癒されるという内容ではありませんでした。
キディランドに置いてある「くじら」の商品の記述や、シンタロウが
マサルを見つけられずに戻ってきた時の「くじら」のありかの表現は、実験的だなあとは思ったけれど私はあまり好きではないかもしれない。
表現の方法ばかりに気を取られて、読み飛ばしたような状態になっていた気がします。
この作品は2作目(1991年単行本化)だそうなので、他の物(特に最近の)も読んでみたいなあと思いました。