頭の中のあかない引き出し

毎日ちょっぴりシアワセを

「今だけのあの子」を読みました

芦沢央さんの「今だけのあの子」を読みました。

「届かない招待状」、「帰らない理由」、「答えない子ども」、「願わない少女」、「正しくない言葉」の5編。

友達に対して不安になったり、疑ったり、嫌なこと考えたりしている様子がリアル。女の友情。知っている気持ちもあれば知らない気持ちもあったけれど、心の動きはどれもすんなり理解できた。

入りやすくて読みやすい上に、どのお話にも意外な展開や『そうだったのか』という驚きが用意されていて、とても楽しめた。作品同士に繋がりも見いだせて、そこがわかった時に、より物語がふくらんだ感じがした。

途中、主人公の気持ちに引っ張られてモヤモヤしたり落ち着かない気持ちになったりもしたけれど、読後感はどれも悪くない。いいお話ばかりだった。

「彼らは世界にはなればなれに立っている」を読みました

太田愛さんの「彼らは世界にはなればなれに立っている」を読みました。

「犯罪者」シリーズとはだいぶ違うというのは読書ともだちから聞いていたのだけど…思った以上に違って驚いた。完全に別ジャンル。

そしてなかなかに読みづらかった!(笑) 和訳された外国の物語を読んでいる感じだった。登場人物たちの名前が外国っぽかったからというのもあるとは思うけれど、それ抜きにしても、言い回しや雰囲気が海外のそれに思えた。

残りあと三分の一くらいになって、ようやく入り込めた。前半は長く感じたなー。後半は割と夢中で読んだ。

出てくる人たちは魅力あるんだけど、そのほとんどが嫌な目に遭ってしまうのでつらい。ストーリーも、何だかずっと不穏でずっと暗くてあまり救いもないので、読んでいて楽しい気分にはなれなかった。

ラストは少し光が見えるような気配もあったかな。

最初は淡々と、途中でミステリー要素が出てきたかと思ったら、そのあとファンタジーな展開になったから何だこれ?と少し戸惑ってしまった。

遠い異国、架空の世界のお話のように描かれているけれど、その実情は現実の世界でも起こっていること。知らないうちに世界は腐る。
すごく伝わったけれど、いかんせんとっつきにくかった。

「やまのめの六人」を読みました

原浩さんの「やまのめの六人」を読みました。

どんな話かまったく知らないまま読んだ。ホラー感もミステリー感もあって面白かった!

仕事を終えて車で移動していた登場人物たちは、土砂崩れに巻き込まれてしまった様子。そんな彼らは、避難した先でも恐ろしい目に遭ってしまう。
ハラハラするし、何だか怖いし、先がどうなるのか、何がどうなっているのか、ずっと緊張しながら読み進めた。

章ごとにスポットが当たる登場人物が変わるので、その都度、視点も変わる。
それもあってか、話が進んで行ってもなかなか真相がわからず全体像もクッキリしないので、中だるみなく最後まで夢中で読めた。

後半、ひとつの大きな真相がわかるのだけれど、更にその後も話が動くので油断できない。面白かった。
全部わかった上で読み返してみると、また楽しそう。少し確認しただけでも、なるほどなるほどとなった。

「硝子の塔の殺人」を読みました

知念実希人さんの「硝子の塔の殺人」を読みました。2021年ラスト。

まとめて時間が取れずこまぎれに読んでいたせいか、夢中で入り込むところまでなかなかいかなかった。

でも、犯人の思惑が上手いこと進まなかったり、思わぬ事件が次々と起こったり、名探偵が登場して推理が着々と進んでいったりするので、飽きることはなかった。

日本の作家さんと作品のことが多く語られる。知っている作品が出てくるとうれしくなり、知らない作品が出てくると興味が湧いて、楽しめた。

後半、そろそろ終わるのかなと思ったところから、ふたたび大きく盛り上がるのが意外だった。その後、いったん『何を言ってるんだい?』と思わせるような流れになって驚いたけれど、そこからがかなり面白かった。ちゃんと着地もしたし、気持ちよく終われた。

最終日のパートが断然、面白い。エピローグも良かった。実際にこんな殺人事件が起こるかっていったら起こらないと思うけれど、面白いからヨシ! と思いました(笑)。


その他、気になったこと。
□立体図の方だと遊戯室の位置が、何度見ても2階に見える。
□円香のセリフについての描写で「蚊の鳴くような声で」が2回、月夜のセリフについては「証明終わりとでも言うように」が2回、「証明終わりというように」が1回あり、『あ、また…』と感じてしまった。
□270ページ 柔らく→柔らかく

「メゾン・ド・ポリス 退職刑事のシェアハウス」を読みました

加藤実秋さんの「メゾン・ド・ポリス 退職刑事のシェアハウス」を読みました。

主人公は新人刑事「ひより」。なかなか捜査に回してもらえない状況だったけれど、元刑事「夏目惣一郎」たちと出会い、行動をともにすることで事件を解決していくようになる。

割と序盤でシェアハウス「メゾン・ド・ポリス」で暮らす元刑事さんたちと出会うんだけど、彼らが次々と出てきてどんどん紹介されるので、なかなか覚えられなかった。

出会って間もないのにそんな簡単に事件内容を話しちゃっていいのかなとか、いくら伊達さんが元お偉いさんだからってそんなすんなり話が通るの? など、疑問に思うところもいくつかあった。

前半はそれほど入り込めず、何となく惰性で読んでいた感じ。ご近所の小さな謎を解決するような話のつもりでいたから、しっかり警察がからむ犯罪を解決することに感覚がついていけなかったのかも。

でも後半は楽しめた。帯に出ていた実写化写真を見て、やっと登場人物たちの名前とイメージが一致したのが良かったかな。ストーリーも、最後の章はハラハラドキドキあって面白かった。

続編もあるらしい。まだあまり語られていない登場人物もいるし、シェアハウスメンバーにも愛着が湧いてきたので続きも読みたい。ただ、調べたらもう6まで出ている模様! そんなに読めるかな…(笑)。とりあえず2は読みます。


余談だけど182ページ→183ページのところ。1行あいて場面が切り替わっているんだけど、ちょうどページも変わるのでそれに気付かなかった。藤堂の部屋にいたはずなのにリビングにワープしたみたいに感じてしまった。

「殺人出産」を読みました

村田沙耶香さんの「殺人出産」を読みました。

面白かったー。

世の中がもしもこうだったら、っていうお話だけれど、設定がすごい。10人産んだら1人殺せるとか。現実にはあり得ない。それでいてこまかい部分は実際にありそうな展開をするし、もしかしたら数十年後、百年後にはこんな世の中になっている可能性もあるな…と思わせられる絶妙なシチュエーションなんだよね。

4つお話が入っていて、どれも引き込まれた。オチがよくわからないものもあったけれど、それが別に気にならないくらい設定とストーリーが面白かった。

村田沙耶香さん、初読みだったんだけど、他の作品もこういうテイストなのかなあ。読んでみたい。

あ、目頭に唾液とかは感染症が気になって、やめとけーと思ってしまった(笑)。

「メアリー・スーを殺して」を読みました

アンソロジーメアリー・スーを殺して」を読みました。

アンソロジーとは言っても、執筆陣の中田永一、山白朝子、越前魔太郎はすべて乙一さんの別名義なので、乙一さんひとりのアンソロジーなのだけど。おまけに解説の安達寛高乙一さんの本名らしいので、全部ご本人!

ちょっと不思議な話が多くて、どれも面白かった。特に前半4つが好み。

「愛すべき猿の日記」
すごいオチがあるわけではないのだけれど、あるきっかけでいろいろなことが変化していく様子が好き。読後もじわじわくる。

山羊座の友人」
いじめの描写で嫌な気分になるけれど、不思議要素で力が抜けて和む。青春あり、ミステリーあり、100ページほどの作品と思えないくらいぎゅっと詰まっていて楽しめた。

「宗像くんと万年筆事件」
児童書っぽい雰囲気が漂っていて読みやすい。謎解きもあって飽きなかった。切ないけどいい終わり方。

メアリー・スーを殺して」
タイトルから殺伐としたお話を想像していたら、全然そんなことなかった。メアリー・スー、初めて知った。殺す動機も、殺し方も、殺したあとのできごとも、全部よかった。うまく言えないけどすごく好き。