映画化された時に気になっていたんだ。
文庫になってすぐに読みはじめたんだけど、その時は入り込めずに途中でやめちゃったの。
読んだ時期が悪かったかも、不安定だったし。
で、改めて読んでみたんだけど。
泣いた〜!
しゃくりあげるほど泣いちゃいました。
妻と娘がスキーバスの転落事故に巻き込まれてしまって、娘だけが一命を取り留めるの。
しばらくして意識を取り戻すのだけど、その意識が死んだ妻のものに変わってしまっていることがわかるんだ。
父であり夫でもある平吉は、その不思議な状況に途惑いつつも妻が死んではいないということを嬉しく思ったりもして。
でも生活をしていくうちに、お互いにいろいろと苦悩が出てくるの。
それがね、読んでいて胸がキューッって苦しくなるほど切ないんだ。
現実には起こらないような設定なんだけど、気持ちがすっごく伝わってくるからすごく感情移入しちゃったんだよね。
自分に子供がいたらもっと胸が締め付けられちゃったかもしれないな。
後半は涙、涙でした。
かなり泣いて一段落したあと、最後にまた泣いちゃう場面があったりするし。
それに加えて平吉のその後の生活を想像するとこれまた胸が苦しくなっちゃう。
最後の部分がない方が読後感はスッキリしてたかなぁとも思うけど、タイトルが「秘密」になるにはやっぱりああいう風に終わらないといけないのかしら。
読んだ後も平吉の気持ちを思ったり別の真相はないのかしらと考えたり、しばらく余韻に浸ってしまった本でした。