「死にがいを求めて生きているの」を読みました
朝井リョウさんの「死にがいを求めて生きているの」を読みました。
螺旋プロジェクト8作品の内のひとつ。
盛り上がりはそれほどないはずなのに、どうしてこんなに面白いんだろう?と思いつつ一気読み。
急転直下なストーリーというわけではないと思うのだけど、何だかずっと少しドキドキしてた。
普通のひとたちの普通の日常が描かれているようで、海族と山族の特性が見え隠れしたり、不穏な気配をちょっと感じたりするので目が離せない。登場人物たちの言動にも、何かの思惑や血の宿命のようなものを感じてソワソワした気持ちになった。
必要な対立、不要な対立、生きがい、死にがい。ただただ生きて行くだけというのは難しい。
みんな、自分の存在意義を認めるべく頑張って生きているんだと思い知らされる。登場人物たちの不安定な気持ち、どれも理解できてしまった。
いやー、面白かった。好きな話。ラストのその後も気になる。
『こんな物語を書けるのすごいー』と思っていたけれど、タイトルもすごいなって思った。こんなの思いつかないよね。