5つの短編からなる連作集です。
・・・が、筆者があとがきで「一つの長い物語として楽しんでいただければ」と書いているように、長編だよね?と思えるようなまとまりがありました。
一つ目の作品「バンク」だけ、いくつかの章(というか節?)に分かれています。
それぞれに小タイトルがついているんですが、その
命名の仕方がツボでした。
こういう言葉遊びって大好き。
登場人物も魅力的。
目立っていたのは、盲目ながら的確な推理を見せる「永瀬」と、メチャクチャやっているようで奇跡を起こしてしまう「陣内」。
2人とも、セリフや行動に意外性がある。
でも無理がないんです。
永瀬の小気味好い推理は読みながら嬉しくなるし、陣内の言動も痛快。
何より素敵なのは、2人ともすごくあったかいの。
どの作品も最後にはピッタリと納まるので、『そういうことか〜』とスッキリ。
それでいて温かい気持ちにも浸れる素敵な作品でした。
余談ですが、私はどうも名前から人をイメージしてしまう癖があるみたい。
「
伊坂幸太郎」さんも、もっとお年を召した方なのかと・・・。
お若い人だったんですねー。
2つしか違わないとは!意外でした。
でも、写真を見たら、作品から感じていた通りの優しそうな印象。
『やっぱりねー』と思っちゃいました。