頭の中のあかない引き出し

毎日ちょっぴりシアワセを

邪魔

邪魔〈上〉
4062739674奥田 英朗

おすすめ平均
stars一級のクライムノベル
stars説得力がある日常との連続性
stars平凡な毎日が瓦解していく恐怖。
stars「最悪」を読む前に読むべし
stars人物のディテールに舌をまく楽しさ

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空中ブランコ」と同じ作者なんだけど、その印象を引きずったまま読み始めたので、あまりの毛色の違いにビックリ。 上・下巻ある長編。 平凡な主婦「恭子」や警部補の「九野」、悪いことを覚えはじめた「裕輔」、そしてその周辺の人々のことが描かれています。 平凡だった人生が、ちょっとしたキッカケで心惑わされたり、犯罪を犯してしまったり。 追い詰められる恐怖や、何とも言えないやりきれなさ。 一貫して、人間の心の暗い面や、どうにもならないことへの焦りやいらだち、もがきが描かれています。 とにかくみんな必死なの。 息苦しいような気持ちで読み進めていたのだけど、続きがすごく気になるので手は止まらない。 そして最後は『こう来たか〜』とため息。 でも救いのない終わり方ではないし、読後感はそう悪くない。 コミカルさはまったくなくて、最初に読んだのが「空中ブランコ」だった私にとってはホント意外でした。 こうなると、俄然、他の作品も気になってきちゃうよ〜。 邪魔〈下〉
邪魔〈下〉