「配達あかずきん」を読みました
大崎梢さんの「配達あかずきん 成風堂書店事件メモ」を読みました。
舞台は、駅ビルに入っている成風堂という書店。そこで働く社員の杏子とアルバイトの多絵が、いろいろな謎を解いていくというストーリー。
こういう物語では大抵、日常で起きる小さな謎を登場人物が解明し、ラストは気持ちがほっこりあったかくなる…というようなものがほとんど。
でもこの作品は少し違っていて、小さな謎というかこれはもはや事件ですよね、というようなものも。お話は5つ入っていて、そのうち3つはあまり穏やかではない展開だった。
どれも謎ときが面白く、ひとつひとつのお話はしっかり決着がついて終わるのでスッキリする。意外なストーリーの流れにワクワクしながら読んだ。
ただ、主人公の杏子があまり好きになれなかったんだよねーー。
推理において活躍するのは、主人公の杏子ではなく、多絵の方。杏子は謎に困るとすぐに多絵を呼び、相談して謎ときに協力してもらう。まあそこはいいとして、その時のセリフがやや強引だし、何だか偉そう。仲良しだからこそなのかもしれないけれど、ちょっとイヤだなと思ってしまった。そもそも、仲良しの程度について特には書かれていなかった気がするし。
「は?」とか「はあ?」という返事もあまり好きになれなかった。
ほかにも、ある場面では、景品についての判断をその場で勝手に決めてしまっていて、店長に確認もしないで相手に伝えてしまっていいの?と不安になった。
あらすじには「しっかり者の杏子」と説明されていたけれど、読んでいてそういう印象は受けなかった。
面白かったから続編も読みたいという気持ちはあるものの、また杏子視点だよねと思うと二の足を踏んでしまうな。