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「怪奇小説という題名の怪奇小説」を読みました

都筑道夫さんの「怪奇小説という題名の怪奇小説」を読みました。

怪奇小説という題名の怪奇小説 (集英社文庫)

怪奇小説という題名の怪奇小説 (集英社文庫)

  • 作者:都筑 道夫
  • 発売日: 2011/01/20
  • メディア: 文庫
 

完全にタイトル買い。気になっている作家さんではあったけれど、そもそもこういうよくわからない題名に弱い。

怪奇小説の執筆に頭を悩ませる主人公が、それどころではなくなるような怪奇な現象に遭遇していく。

思考と執筆内容が入り乱れて境目がわかりづらいのが、面白い。ジョン・スタインベックという作家の短編「蛇」が(たぶん)まるまる挿入されているシーンがあったり、各章のタイトルにインパクト強めの注釈が添えられていたり、古い作品なのに新しさを感じた。

ストーリーは章を追うごとに怪奇具合が深まって、後半はハラハラしながら読んだ。突飛な展開で収拾つかないのではと思いきや、最後は意外と辻褄が合ったので驚いた。

普段あとがきや解説はあまり読まないのだけれど、解説が道尾秀介さんだったのでざっと読んだ。ペンネームの「道尾」が都筑道夫さんの「みちお」から取られていたと知ってびっくり。
単行本の装丁の仕掛けが紹介されていた。これは知ることができてよかった。文庫版も同じ仕掛けだったらよかったのになー。