タイトルで既に心惹かれていました。
夢にはすごく興味があるし、夢にまつわる不思議な話とかも大好きなので。
この作品は5つの短編が入っている連作ミステリーです。
そのうち夢がかかわっているのは2つなんですが、どれも面白かったです。
章ごとのタイトルの付け方も、ちょっと変わってて好き。
殺人事件が起こるところまではそう珍しいストーリーではないのだけれど、不思議なことがからんでくるのです。
事件が起こる「前日」に事件を目撃していたと語る女の子や、ちょうど殺された頃の時間に別の部屋に現れていた被害者、住人亡き後
ポルターガイストが起きる部屋などが登場。
どれも説明がつかないことだけに、刑事の「草薙」は戸惑いを感じます。
そこで相談をする相手として登場するのが、物理学者の「湯川」。
この作品では、刑事さんではなく物理学者が謎を解くのです。
湯川は話を聞いた時点である仮説を立て、後日それを実証してみせます。
それは、今までの捜査方針や状況が引っ繰り返ってしまうような内容。
読んでいる方としては、この展開がすごく面白かったです。
私は、霊感は多分ないんですが、予知夢(というか透視夢?)は見たことがあります。
だから不思議なことは現実に起こるんじゃないかと思っている方なんですが、湯川教授の説明は論理的でスッキリ説明してくれたから、何だか気持ちがよかったな。
ひとつひとつは短い時間で読めるし、通勤時間や待ち合わせの時なんかに読むのにオススメ。
今まで読んできた
東野圭吾作品は長編が多かった私。
深みがあって好きだったんですが、短編は短編でまたいいなぁと思いました。