少し前に、初めてこの作者の作品「キスまでの距離 おいしいコーヒーの入れ方Ⅰ」を読んだんですが、思いっきり恋愛恋愛な感じが新鮮で忘れられず(笑)。
それでデビュー作である「
天使の卵」にも手を出してみました。
「
天使の卵」と聞いてまず思い出したのは、
SPACE CREATORという会社が出しているシリーズです。
↑結婚前にコレと同じものを彼がプレゼントしてくれたことがあったので。
この連想はあながち間違いではなく、このシリーズのある商品が作品中に登場してました。
さて、内容ですが。
大学を落ちたばかり、予備校生の「歩太(あゆた)」が主人公。
歩太は、「夏姫(なつき)」という彼女がいるにもかかわらず、電車の中で8歳年上の「春妃(はるひ)」に一目惚れしてしまいます。
春妃と思いがけない場所で再会を果たして以来、ますます気持ちは加速。
諦めないことを決意し、突き進んでいく。
そして・・・という展開。
春妃への想いや夏姫との関係だけでなく、父親への気持ちや歩太自身の心理状態、母親への理解なども描かれています。
全体的に、心臓に直接訴えかけてくるという感じの描写。
小難しい熟語や表現ではなく、わかりやすいから余計にグッとくるというか。
実は、恋愛小説ってほとんど読まないんです。
それは、難しい表現やキレイすぎる描写が、回りくどく感じたり嘘くさいと思ったりしてしまうからなのかも。
村山さんの作品を夢中になって読めるのは、そういうマイナスな印象を受けないままに感情移入できるということかもしれません。
そうして読み進めた最後には、余りにもせつない展開が待っていました。
「せつない」を通り越して苦しすぎる。
自分に置き換えて考えちゃうと、もうダメ。
泣けるというより、身がよじれるような気分でした。
でも、とても素敵な作品だと思います。
↓続編も出たらしいですよね、気になるなー。