頭の中のあかない引き出し

毎日ちょっぴりシアワセを

しゃばけ

しゃばけ

畠中 恵
新潮社
文庫
主人公は、廻船問屋「長崎屋」の一人息子、一太郎(若だんな)。でもこの一太郎、主人公だというのに弱〜いの。小さい頃から体が弱く、すぐに寝込んでは生きるか死ぬかの騒ぎにまでなったりして。だから大事に大事に大事に扱われていて、ちょっと咳き込んだだけでも外出禁止になってしまうほど。そんな若だんながある夜こっそり外出したら、なんと人殺しに出くわしてしまい…という所から物語は始まります。 長崎屋の手代として働きつつ若だんなのお世話をしている2人の男性、彼らは実は妖(あやかし)。他にも若だんなの周りには、幼い頃から自然にそばにいた妖たちがたくさん。若だんなは、彼らの協力を仰ぎながら事件のことを調べることに。 若だんながとっても弱っちいのにとっても危ない目に遭うので、読んでてドキドキしてしまう場面も。だけどそこが面白い所かもしれないなあ。そして妖たちは、怖いとかそういうイメージではなく、何だか可愛い印象。これも魅力。 ストーリーも面白いし、文章も読みやすい。これはシリーズ化されるのも納得です。今ダーリンが読み始めているのだけれど、「ハリー・ポッター読んでる時みたいな気分になった」と言っていました。ほんとそんな感じ。完璧じゃない主人公、不思議な存在(でも怖くない)、独特の世界。思い返してみて、かなり言い得ていたので思わず感心してしまったよー。