頭の中のあかない引き出し

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「玉依姫」を読みました

阿部智里さんの八咫烏シリーズ5作目、「玉依姫」を読みました。

 

玉依姫【新カバー版】 (文春文庫)

玉依姫【新カバー版】 (文春文庫)

 

なんかもう、すごいなって思った。今回は山内のことほぼ出てこないし、今までの話からしたら裏話というかその後の話というかそんな方向。それでいて、これなしでは今までの3冊も語れないよねという、軸の話でもあった。

序盤、志帆が出てきた時、真っ先に十二国記の陽子を思い出した。似たような展開になったらちょっとイヤだなと思いながら読み進めたけれど、当然のようにまったく違うストーリーで。

登場人物たちがみんなどうなっていくのか、山内はどうなっているのか、気になりすぎて今回もがつがつ読んだ。何か事が動くたび、今までの山内の状況を知っているだけに一層ハラハラしてしまう。

烏だけでなく、猿にも神にも人にもそれぞれの事情や想いはあって。こちらから見ていた事実と、向こうから見た事実はまた違う。この物語に限らず、世の中のすべてはそういうものが絡みに絡んで出来ているんだなあ、なんてしみじみ思ってしまった。

5作目も面白かった! 6作目は一体どういうお話になるんだろう。舞台は山内で雪哉がまた出てくるかなあ、と漠然と思ってはいるのだけれど。