頭の中のあかない引き出し

毎日ちょっぴりシアワセを

「八朔の雪 みをつくし料理帖」を読みました

髙田郁さんの「八朔の雪 みをつくし料理帖」を読みました。

確かな舌と腕を持ちながらも、澪の料理人としての道は険しい。料理の面でも、境遇の面でも。ひとつ乗り越えたかと思うとまた次の苦難がやってくる。それでも明るさを忘れず、丁寧にお料理を作り、落ち込んでもまた立ち上がる姿をいつの間にか応援してしまう。それは澪の周りの登場人物たちも同じらしく、徐々に味方が増えてくる。

みんな人情に厚く、優しい。それぞれ何か切実なものを抱えていて、時折それが顔を出す。何度か涙した。

後半はかなり先が気になる展開。読み急いでしまった。読後はじんわり続く余韻を楽しんだ。

つる家の行く末、謎めいている小松原の正体、他にもこの先いろいろあるんだろうな。長く楽しめそうなシリーズにまた出会えて嬉しい!