「
ライオンハート」と言えば
SMAPだけど・・・。
ケイト・ブッシュというイギリスの歌手の歌から来ているみたいです。
この作品のジャンルは、何て言えばいいんだろう。
恋愛でありSFであり、ミステリーも入ってきたりする。
そして、舞台は日本ではありません。
登場人物も、然り。
ページをめくるとすぐに、カタカナの名前や地名が出てきたので少し意外でした。
海外の小説って、人名も地名もカタカナだし長いしで、実はちょっと苦手なんです。
覚えられなくて何度もページを戻して確認したりしちゃうの。
だから最初は、読むのに時間がかかりそうだなーと思ったりしてました。
この作品では、更に複雑。
軸となる土地はロンドンや
パナマなどあちこちに渡っているし、時間も1600年代だったり1900年代後半だったり。
それでも、作者が日本人だからか私の好きな
恩田陸だからか、手が止まることなくスムーズに読めました。
何となく海外小説っぽい語り口になっているような気がしたんだけど、それは気のせいかなー?
時と場所を越えて何度もめぐり合う2人。
やっと逢えても一瞬、時には逢えないこともある。
しかしそれでも、2人は強く強く求め合っているのです。
こう書くと、もしかして陳腐な印象を持たれてしまうかもしれないけれど、不自然だとかあり得ないだとかいう思いは湧いてきませんでした。
求め合う理由や次はどんな風に出会うのかなどが気になって、どんどん読み進めてしまいます。
生きる意味、出会う意味。
切ないけれど、何だかスゴイなぁと思ってしまいました。
こういう物語、私は好きです。
それから、各章の扉にある絵も、内容と関連性があって魅力的。
途中で何度か見入ってしまいました。