頭の中のあかない引き出し

毎日ちょっぴりシアワセを

「螢」を読みました

螢 (幻冬舎文庫)

螢 (幻冬舎文庫)

麻耶雄嵩さんの「螢」を読みました。

序盤、主人公が誰なのかいきなりわからなくなり、混乱してしまった。主となる視点で語っているひとが、文の流れからいうとAさんだと思ったのに、そのAさんが急に第三者として描かれている。じゃあこれ語ってるひと誰??と疑問に思うも、それがわからないのでかなりイライラした。もうやめようかと思ったくらい。

それでも、きっとこれは叙述トリックなのだろうと思い、何とか読み進めた。いろいろ勘ぐってしまいつつ。

そこをもう割り切って読めば、ストーリーは面白かった。ただ、全体的にセリフまわしが古くさかったかな。特に平戸さん。大学生あんな話し方しないでしょ。

叙述トリックの内容も、新鮮だった。そういうパターンとはね!
でも序盤から『何かあるんでしょ』という気持ちで読んでいたので、素直に楽しめなくてもったいなかったかな。読後、思い返しながらパラパラめくってみて、書き方にかなり工夫したんだろうなというのが伝わってきた。

終わり方は好きだなー。救いがなくて。想像させる部分もあって楽しかった。確定する要素はないから想像して楽しむだけだけれども。