頭の中のあかない引き出し

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「ピンクとグレー」を読みました

加藤シゲアキさんの「ピンクとグレー」を読みました。

 

ピンクとグレー (角川文庫)

ピンクとグレー (角川文庫)

 

NEWSの加藤さんのデビュー作。恋愛小説とか青春小説ってつい積んだままにしてしまうので、だいぶ寝かせてたのをようやく読んだ。

アイドルのひとが書いた小説、と思いながら読み始めたけれど、最後は引き込まれて一気に読んだ。ちょっと何よ、面白いじゃん! ってなった。

ふたりが通う学校は明らかに特定の学校がモデルで、そこは私の母校でもあったから、懐かしくなるワードがたくさんあった。銀杏、点火祭、雑誌にでる友達、キャンパスが変わる、など。そういう意味でも楽しめた。

ストーリーは、ひとことで言ってしまえばふたりの友情なんだけど、ひとことでは言えない絆の強さと歪みがそこにはあって。出会った9歳からのさまざまなできごとと心情が丁寧に描かれていて、日記を読ませてもらったような、近くで見届けさせてもらったような、そんな気持ちになった。予想外の展開も多かったけれど、穏やかな文体のおかげなのか、無理なく受け止められた。
ラスト、胸が締めつけられるような切なさは残るものの、いい終わり方だなと思った。

割とジャニーズ好きな私ですがNEWS加藤くんに興味はまったくなく、でも小説家の加藤さんには俄然、興味が湧いてきた。ほかのも読みたいな。

 

以下は、読んでいてちょっと気になっちゃった点。余談だけど。

■『住人の三分の一くらい』というのがどうやってわかったんだろう。引っ越してきた当日で、まだ9歳なのに。

■入学した中学校は、比較的簡単に決めて受験したような感じに書かれているけど、塾代と偏差値と学費を考えたらそんな気楽にふたり揃って入学できないのでは?と思った。裕福な地域性なのかな。

■『そうじゃなけりゃ永遠と世界新記録が更新されて』は『延々と』ではないのかな。セリフだから、この人がこうやって思って言ってるってことなのかもしれないけど。