頭の中のあかない引き出し

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「名探偵に薔薇を」を読みました

城平京さんの「名探偵に薔薇を」を読みました。

面白かった。ちょっと独特な雰囲気があった。ことばの言い回しは少し気取ってる感じ。キザっぽいというか。文庫が出たのが1998年のようだから、古さもあるのかな。

「メルヘン小人地獄」という童話。むかしばなしによくあるような流れではあるけれど、『ほぼ完璧な毒』から始まる展開がおぞましい。

第一部では、「メルヘン小人地獄」の内容をなぞるような事件が発生。三橋荘一郎という男の視点で描かれる。後半で出てくる名探偵が、あっという間に事件を解決してみせたのがかっこよかった。鮮やか。

第二部は、二年後。瀬川みゆきの視点から。新たな事件が起こりその解決に向かっていきつつも、名探偵のつらい記憶や苦しい思いが語られる。

私はあまり自分で推理を頑張りながら読む方ではないので、どちらの事件の種明かしも楽しめた。楽しい結末ではなかったけどねー。あの後の展開に救いがあるといいなと思った。

本についていた帯に「タイトルはこれ以外ありえない!」と書かれていたのだけれど、読み終えてもあまりピンと来なかった。なぜに薔薇??