頭の中のあかない引き出し

毎日ちょっぴりシアワセを

「家守綺譚」を読みました

梨木香歩さんの「家守綺譚」を読みました。

先日読んだ「金曜日の本屋さん」にこの作品のことが出てきて、家に寝かせてあったのですぐ読んだ。

ほんの百年すこし前の物語。綿貫征四郎という作家が記したもの。彼は亡くなった親友「高堂」の父から家の守を頼まれ、自然豊かな家屋で暮らし始める。

その家での生活は、静かだけれど飽きの来ない日々。いろいろな植物や犬のゴロー、隣のおかみさん、和尚、不思議な何か、そして高堂。
あり得ないようなできごともたびだび起こるけれど、綿貫が概ね普通に受け入れるので、読んでいるこちらも割と日常のことのように受け止めてしまう。しかもちょっと羨ましくさえ思う。

実際は作者の梨木香歩さんが書いているのに、あまりにも自然で「綿貫征四郎」が書いているようにしか思えなくなった。
実在の「綿貫征四郎」という人がこういう体験をしていたんだなあという感覚で、百年すこし前に思いを馳せながら読んだ。