頭の中のあかない引き出し

毎日ちょっぴりシアワセを

「山亭ミアキス」を読みました

古内一絵さんの「山亭ミアキス」を読みました。

連作短編。章ごとに主人公が変わる。

心につらいものを抱える主人公が、悪天候の中、偶然「山亭」にたどり着く。美しいオーナー、一風変わった従業員たち、おいしいお料理、猫が登場する神話や物語、湖で出会う女の子。

後半は恐ろしい目にも遭うけれど、気付けば天気は回復し、主人公の心も環境もよい方向に向かっている。

どの章も同じような展開をたどるので、途中ちょっとだけ飽きた。でも各章の主人公の行く末が気になるし、寓話のようなストーリーで面白い。

山亭のメンバーや女の子の正体は、隠しているようであまり隠す気もないような描かれ方。発言も意味深と見せかけて割とストレートなので、そこに関しては後で驚くということはなかった。内容も、予定調和でちょっとキレイにまとまり過ぎな感じもあったかなあ。神話とか昔話みたいなものだと思えば、それでいいのかもしれないけど。

あとは、どういう修行をしてどうなればこうなるのか、っていうのが漠然としていて少し唐突に感じた。これも、昔話のそういう設定だから、と思えばいいのかな。