頭の中のあかない引き出し

毎日ちょっぴりシアワセを

「コンビニ人間」を読みました

村田沙耶香さんの「コンビニ人間」を読みました。

「殺人出産」を読んだ時に、このひとの作品は好きな気がするからもっと読みたいなと思ったんだけど、やっぱりそうだった。好き。

まず、恵子のこどもの頃のエピソードからやられてしまった。独特な感性を持つこの女性は、この先どういう風に生きていくんだろうかと気になった。

平均的な常識や感性を持ち『普通』の行動をとれる人が、「人間」として認められる。そうでない人は奇異な目で見られ、矯正されたり排除されたりする。
これは現実でもそうだなあと思う。みんな、どこかしら調整して「人間」の範囲内に収まるレベルで活動している感じする。そうできない人は、苦しんでしまう世界。

恵子も白羽さんも言動が極端だから、周りが何かと治そうとしてくる。世間に適応しようと努力したり、うまくやれなくて苦悩したり、逃げたくなったり、そういうところはとても人間味があると思うけれど、それで良しとはならないんだから世知辛い世の中だよねー。

コンビニは接客が伴うので店員という役割を演じることが求められるし、マニュアルもしっかりしている。恵子みたいな人には最適なのかも。

恵子が他のひとを観察して考える内容や、実践してみる内容に共感を覚えた。私もちょっとやってることあるなと思った。


面白かった。似たような説明が何度か出てくるのは気になったものの、とても興味深く読んだ。


すごく余談だけれど、置いてある本のカバーを見てダンナさんが「魔貫光殺砲があるよ!」と叫んだ。右上に、ドラゴンボールに出てくる魔貫光殺砲の絵があるらしい。わざわざ検索までして元絵を見せてくれたら、本当にそうだった。まんまマンガから切り貼りした感じ。
このカバー作品は金氏さんという方の、「溶け出す都市、空白の森」より「Tower」というものらしい。調べると、この方は切り貼りや寄せ集め、コラージュを手法としているみたい。
著作権あるものでも切り貼りならOKなのかなー?