頭の中のあかない引き出し

毎日ちょっぴりシアワセを

「三千円の使いかた」を読みました

原田ひ香さんの「三千円の使いかた」を読みました。

タイトルから、三千円のいろいろな使い道が出てくるのかなと思っていたけれど、これについてはそれほど多くは出てこなかった。

でも面白かった! とても良かった。
垣谷美雨さんの「老後のお金がありません」と似たニオイを感じるなあと思っていたら、その垣谷美雨さんが解説を書いてた。庶民にとっての身近なテーマを深く丁寧に描いてくれているっていうのが共通点かも。

御厨家の女たち、美帆、真帆(姉)、智子(母)、琴子(祖母)。みんな不満のない普通の生活をしてきていたはずなのに、それぞれにお金の問題が発生してくる。

これがもう現実味がすごくあって!
自分もこういう気持ちになったことがある、と思ったり、ゆくゆくこういう風にお金に困るのかもしれない、と不安になったり。共感に次ぐ共感。

きっとどの世代の女性が読んでも楽しめると思うし、得るものもあるって思う。物語としても面白かったし、お金について改めて考えるきっかけにもなった。

お金に対する不安は消えなくても、みんなそれぞれ折り合いつけて進んでいるのがいいな。 終盤のお金の使われ方のシーンはちょっと涙ぐんじゃった。


137ページ 『いちようにショックを受けた』
215ページ 『一様に笑った』
前も別の作家さんの作品で、1ヶ所だけひらがなの「いちよう」ってなってることがあって。その時は間違いかなと思っていたけど、今回もひとつだけ「いちよう」。何か使い分けしてるのかな??