人間関係のつながり具合や起こる出来事の特殊さは確かにフィクションだけれど、人間の描かれ方はリアル。伏線の回収されっぷりと報いの受け方が気持ち良かった。アスタリスクについては、まったく気付かず読了〜。
ストーリー・セラー
- 作者:有川 浩
- 発売日: 2015/12/04
- メディア: 文庫
SIde A のラストは、もしかしてそういうこと?と思うことがあって、でもそうじゃないといいなとも思って。だから、確かめたくはない気持ち。
有川さん自身の実体験も、かなり入っている(ようだ)と知る。 もし知っている状態で読んだのだったら、居心地の悪さや後味の悪さを感じたかもしれない。 でも、知れたのはよかったかなとも思う。タイトルの意味を、より深く考えた。 書くことだけに集中できたらいいのにね。
強運の持ち主
ソロモンの偽証: 第Ⅲ部 法廷 下巻
- 作者:宮部 みゆき
- 発売日: 2014/10/28
- メディア: 文庫
裁判後半戦。濃厚すぎる数日間だった。予想できた部分も少しだけあったけれど、いい裁判だったと思う。何より、主張したかったひと、主張すべきひとが発言する機会を得られたのが良かった。評決内容も、気持ちに折り合いのつく良いものだった。
そして、その後のみんなのことが気になる。ちらりと触れられていた以外の登場人物たちについても、知りたい。そこは想像で補うのがいいんだろうけれど。誰もが傷ついたけれど、得るものも大きかったはずだから、みんなが明るい方向に向かって行ってくれていたならいいなと思う。
ソロモンの偽証: 第Ⅲ部 法廷 上巻
- 作者:宮部 みゆき
- 発売日: 2014/10/28
- メディア: 文庫
この巻では、弁護側や検事側からの視点では物語が語られない。彼らの心情は別の誰かから見た様子でしか窺い知ることができず、そのせいかずっと気が張りつめたまま最後まで読んだ。どことどこに偽証があるのか、何が嘘なのか、この裁判がどこに着地するのか、早く知りたい。みんなの気持ちが救われる結果になればいいなと思う。