『
このミステリーがすごい!』の第1回大賞金賞受賞作です。
”ある人気作家の作品(敢えて書きませんが)と設定が似ているけど良い”という前評判をあちこちで聞いていて、割と前から気になってました。
似た設定だということは気にせず読もうと思っていたのですが、読み始めてみるとやっぱり気になっちゃってました。
いつ出てくるのかというのが常に心にあるような感じで・・・。
真ん中辺りまでその設定が出て来なかったのでちょっと意外でした。
でも、面白かったです。
先に世に出ていた方の作品は、読後にかなり切ない余韻が残ったのですが、こちらは爽やかな感動を置いていってくれたという印象でした。
もちろん途中には、切ない要素も悲しい要素もツライ要素もあるんです。
それが、最後には素敵な状態で終わっている。
私は涙までは流れなかったんですが、読む人によっては泣けちゃうんじゃないかと思います。
確かに設定は似ていて、あの作品を読んだことのある人なら間違いなく連想してしまうだろうなあという感じは受けました。
あまり見かけない設定だから余計に。
でも、盗作だとかパクリだとかの悪印象はない。
それよりも、設定が同じでもまったく違う作品になるものなんだなあと逆に感心してしまいました。