久しぶり(1年ぶりくらい?)に
乙一作品を読みました。
表題作「天帝妖狐」と「A MASKED BALL―及びトイレのタバコさんの出現と消失―」の2作が収録されてます。
「A MASKED BALL」の方が最初に入っているのでコチラから。
キッカケは、トイレの落書き。
高校生の主人公「ぼく」は、ほとんど誰も使っていないだろうと思われるトイレで一服するのが習慣。
ある日、壁に落書きを見つけ不思議に思っていると、翌日には別の人物たちからの落書きが書き込まれていたのです。
そこで「ぼく」も落書きに参加するようになり、いつしか
伝言板のような雰囲気に・・・。
そして、その中で最も得体の知れない感じのしていた人物が、構内で事件を起こし始めるのです。
トイレの壁で言葉をやり取りするという設定。
中学生の頃、理科室の机でそんなことやったなぁとか思い出しました。
やっぱり何人かいて、それぞれ好きな歌の歌詞を書き付けてみたり。
ペンじゃなくて鉛筆だったけど。
ある日いっぺんに消されちゃってて寂しく思ったんでした。
まあこれは余談でしたが。
姿の見えない人たちとトイレの壁でつながってる感じが楽しめました。
「アイツ」は誰なのかというのが気になるし、展開も早いので、あっという間に読めると思います。
続いて「天帝妖狐」。
ちょっとホラーな要素があったのが予想外でした。
最近ホラー離れしていたので『うぅぅ』と思うシーンもありましたが、最終的には切ない物語です。
永遠の心の苦しみを、たったひとつの優しさが救う。
ホラーっぽい面がありつつ切ないというのがこの作品の醍醐味なのかなぁとは思うのですが、どうもこういうお話は私には怖くて、そっちの方が気になっちゃってました・・・。
ホラー自体は苦手じゃないんですけどね。