頭の中のあかない引き出し

毎日ちょっぴりシアワセを

「ユージニア」を読みました

恩田陸さんの「ユージニア」を読みました。

ユージニア (角川文庫)

ユージニア (角川文庫)

 

難解過ぎて!(笑)

 

誰が話しているのかわかりづらいし、話がどこに向かって行くのか見当もつかないし、回想は冷静な感じだし、前半は読み進めるのにも苦労してしまった。

途中から少しずつ、『あ、これは前に出てきたあれのことね』『この人はあの人のことか』などピンと来ることが増え、ページをめくる手がスピードアップ。無事に読了できた。

 

でも最後の最後までよくわからず。

 

かといって、思い返してみてつまらなかったわけではなく。

 

読み終えた後、何だかちっともわからなくて、でも妙に気になってそのままにはしておけなくて。

結局そのまま軽く再読してしまった。

読み返すことで初めて気付いたところ、新しく理解できたところがたくさんあった。わかりそうでわからないまま終わった部分もある。

 

再読してよかった。

ひとつの事件や出来事について、いろいろな人がいろいろなことを思うし、いろいろなことを言う。

感じたことが正しいとは限らないし、正しいまま誰かに話すとも限らない。

 

伏線ばっちり回収してキレイに終わるっていうお話は好きだけど、こんな風に、すべてのピースがはまるわけではない、『真実はいつもひとつ』というわけではない、っていう終わり方も悪くないなって思えた。

 

結果的に、好きな方に入ってしまったかも。途中までは、恩田陸さんの作品にもつまらないものはあるのかも…なんて思っていたのに。

不思議な作品。