「円卓」を読みました
西加奈子さんの「円卓」を読みました。
よかった。読み終わった時、最後のことばでグッと来るのと同時に、もう終わっちゃうのかと思った。まだまだずっと読めた。
妙に冷めていて考えが大人びているような「こっこ」。でも実のところはとてもこどもらしいなと思う。
こっこの日常と、心の動きと成長と、周りの家族や友だち。こっこだけでなく周りのみんなもそれぞれクセが強いけど、もれなく魅力的。
「漁港の肉子ちゃん」を読んだ時にも思ったことだけど、使っていることばは簡単でわかりやすいものばかりなのに、広がりがすごい。感動的なこと言ってるわけじゃなくても何だかグイグイ入ってくる。
表現が好き。『道を歩いている際、長い枝を折っては地面をからかってみたり、』とか。地面をからかうとか! たまらん!
こども目線でのいろいろなこと、私もこどもの頃こんな風にいろんなことを感じていたんだろうか。憧れたり不満を持ったり、こんな風だっただろうか。そんなこともない気はするんだけれど。でも読んでいるうち、何となく知っている感情や記憶が刺激される感じがするんだよね。
たまに入るツッコミ風味の文章も楽しかった。