頭の中のあかない引き出し

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「金曜日の本屋さん」を読みました

名取佐和子さんの「金曜日の本屋さん」を読みました。

実際に出版されている本のことがたくさん出てくるので興味深かった。メインの題材としては、庄司薫白鳥の歌なんか聞えない』、レイモンド・チャンドラー『長いお別れ』、ミヒャエル・エンデ『モモ』、梨木香歩『家守綺譚』の4冊。ほかにもいろいろな作品の名前が挙げられていた。

メイン4冊についてはそれぞれ、セリフの抜粋があったり、エピソードの説明があったりする。『白鳥の歌なんか聞えない』『長いお別れ』は、読むことはないだろうと思ったからまあ普通に読めて、『モモ』は読んだことがあるから懐かしみながら普通に読めて。でも『家守綺譚』は読もうとして寝かせてあるので、あまり内容を知りたくなくてちょっと目が滑っちゃった。

舞台は、『読みたい本が見つかる本屋』金曜堂。特徴ある店員さんたちと、ちょっと変わったお客さんとのやり取り。そこから悩みも解決していく。4つ入っているお話は、軽いハラハラはあってもみんな最後いい感じにまとまるので、穏やかな気持ちで読めた。

何となく、『この本屋さんでは不思議な力が働いていて、読みたいと思っていた本が魔法のように見つかる』みたいなストーリーをイメージしていたのだけれど、そういうのではなかった。

「この本が読みたくなった」とか「この本を読んでみよう」とか、結果的に読むべき本が見つかる感じ。

倉井くんが馴染んでいく過程もイイね。金曜堂のメンバーにはまだ秘密がありそうだし、今後の変化も気になる。シリーズ物みたいだから他のも読みたい。