頭の中のあかない引き出し

毎日ちょっぴりシアワセを

「あの日、君は何をした」を読みました

まさきとしかさんの「あの日、君は何をした」を読みました。

彼がどうして死ななくてはならなかったのか、あのとき何をしていたのか、気になってほとんど一気に読み終えた。

登場人物の感情の動きが丁寧に描かれているので、それぞれの思いに入りやすかった。大切な人を亡くしたあとの描写はつらかったな。いづみの心情も沙良の気持ちも、そうなるだろうなというのが読んでいて納得できてしまった。

第二章、まったく違う物語が始まったのかと思うほど第一章とは関連ないところで話が進むのだけれど、後半ですべてが繋がっていくのが気持ち良かった。いろいろな人の思惑が重なることで、思いもかけない事件が生まれたり事態が複雑になっていたり。面白かった。

ラストは、少し救い。ハッピーエンドってわけではないけど、モヤモヤが残るような嫌な終わり方ではない。その後のエピローグ的な部分が始まった時には、さっきのとこで終わりで良いのでは?と思ったのだけど、あってよかった。動機が補強されたし、救いにつながる部分の説得力にもなるなと思った。

まさきとしかさん、名前の印象で男性かなと思っていたのだけれど(たぶん まさき に引っ張られた 笑)、子に対する母親の視点がとてもリアルだったので、女性なのかなと思い直した。若しくは子を持つ母に丁寧な取材をしたとか。

三ツ矢と岳斗のコンビ、良かった。それぞれの事情も少し書かれていたから愛着が湧いちゃった。