頭の中のあかない引き出し

毎日ちょっぴりシアワセを

「悪徳の輪舞曲(ロンド)」を読みました

中山七里さんの「悪徳の輪舞曲」を読みました。

御子柴礼司シリーズ4作目。

今度の容疑者も驚きだった。試練だ。

今回ばかりは弁護にとっかかりがなく、ちっとも突破口を見つけられそうにない。流石に負けちゃうのでは?と思いハラハラしながら読んだ。

今までは、御子柴が「とうとう見つけた」と思うなど、これだキーなんだなとわかる描写があったんだけど、今回はサラッといつの間にか。
第三回公判はほとんど勝ち目なく臨んだと思っていたら、そうじゃなかったので少し驚いた。ホッとはしたけども。法廷での御子柴の説明を聞いて、あの時に見つけてたのかーと思う感じだった。

御子柴の、身内に対しての感情が何とも複雑。無いようでいて、そうではなさそう。ほかの人とのやり取りを見ていくと、御子柴自身も意識できていない感覚っていうのが奥底にあるのかもなと思わされた。

御子柴の贖罪は一生続くとは言え、酷な裁判ばかり。特に今回は辛かったな。最後の郁美の話も、御子柴にとってはかなりキツかったのでは。
倫子に対してちょっと気持ちを覗かせてしまうところも、何だかいたたまれない気持ちになった。