頭の中のあかない引き出し

毎日ちょっぴりシアワセを

「蒼穹の昴 1」を読みました

浅田次郎さんの「蒼穹の昴 1」を読みました。

中国、清の時代のお話。糞拾いの仕事をして何とか生活している春児(チュンル)という十歳の少年は、白太太(パイタイタイ)という星読みの占い師から、ゆくゆく大金持ちになり宝をすべて手にすると予言される。

春児の幼なじみで兄貴分のような存在の文秀(ウェンシウ)は、科挙の試験に臨む。彼もまた白太太から過去にある予言を受けていた。

白太太の予言は外れたことがないらしいのだけれど、現状を考えると本当に将来そんなことが起こるのかな?という感じ。

第二章に入ると、時代が遡り、新たな人物カスチリョーネが登場。乾隆や香妃(シャンフェイ)とのやり取りなどが描かれる。

そしてまた時代が戻り〜、やがて文秀は登第し、春児は浄身(チンシェン)してしまう。

1巻は序章って感じなのかな。春児や文秀の身に様々なできごとは起こるけれど、そこまでの盛り上がりはなく、これから誰がどう絡んでどうなっていくのかなーというところで2巻へ。

先は気になるのでこのまま続きも読めそう。ただ、漢字に当てた読み方が、馴染みがないからなかなか覚えられない! 春児にも文秀にもたびたび仮名を振ってくれてるんだけど、出てくるたびに確認してしまうよ。

「ロボット・イン・ザ・ガーデン」を読みました

デボラ・インストールさんの「ロボット・イン・ザ・ガーデン」を読みました。

主演ニノで「TANG」として映画化。予告のCMを観たら気になっちゃって。

序盤はちょっと退屈。翻訳物が久々で馴染みづらかったというのもあるかもしれないけれど、ベンもエイミーもあまり魅力ある人物には感じられず、タングもそれほど特別な存在に思えなかった。

でもベンとタングが目的のために旅を始めてからは、俄然、面白くなった。タングは健気でかわいいと思えるようになったし、ベンのこともタングの良き理解者として好感が持てるようになった。

後半は、タングがどうなるか気になって割と急いで読んでしまったかも。いろいろ展開があって楽しめた。

続編は別にいいかと思っていたんだけど、やっぱり読みたくなったな。いい終わり方ではあったけどあの後どうなっていくのか知りたいし、タングとベンのやり取りをまた見たい。ベンの脚に抱きつくタング、かわいいんだよねー。

「いけない」を読みました

道尾秀介さんの「いけない」を読みました。

今まで出会った道尾さんの本にはハズレがなかったから、今回も期待してたんだけど、それでもやっぱり面白いのよーすごいな。

まず、各章どれも面白かった。先が知りたくてどんどん読んでしまうし、別の章とも繋がりがあるからそちらも気にかかる。最後は意外な展開に驚いて。更に、章の終わりには写真がくっついていて、曖昧に想像していた結末が、それによって補強されたり覆されたり。

本のはじめには使用方法があって、『写真を見ることで、それぞれの"隠された真相"を発見していただければ幸いです。』とある。これを踏まえた上で写真を見ていたにもかかわらず、読み終えてから改めて二章と三章の終わりの写真を見たら、最初には見えていなかったものが見えた。注意力がなさすぎるな私は。

そのまま2周目してみたら、発見があり過ぎてびっくり。こんなに普通に書かれているのになぜ気付かないで読んでいたんだと自分を疑ったくらい。先が気になる展開だと目が上滑りして、こまかい描写は見落としちゃうのかもしれないな。

一章の写真は何を伝えたいのかイマイチわからなかったんだけど、ゆかり荘の場所が確定すると、誰が死んだかわかるっていう意味かなあ。

最後の章は、いろいろ判明するので答え合わせ的に楽しめた。明確に言い切っていない部分も残されていて、読後に詳細をあれこれ考えられるのも醍醐味。
かりそめの不安定な平和だとしても、彼らの現状がこのまま続いて欲しいと思ってしまった。それが幸せなことなのかはわからないけれど。


面白かったー。2も出たのでしょ? 読みたい。

「ジャッジメント」を読みました

小林由香さんの「ジャッジメント」を読みました。

舞台は20XX年。『復讐法』という法律が生まれた。犯罪者から受けた被害内容と同じことを、被害者または遺族などが合法的に刑罰として執行できるというもの。

大切な人が殺された時、人は復讐を選ぶのか。

物語は5つの章から成っていて、傍観者としてすべての章に登場するのが、応報監察官の鳥谷文乃。

「応報監察官」というのは、復讐法に基づく刑の執行について、確認、監察、報告などする仕事。執行者が犯人を殺そうとする様子も見届けなくてはならず、そこには常に葛藤や辛さがつきまとう。

執行者にとっても、苦しい作業だなあと思う。復讐を遂げたからといって楽にはなれないし、却って辛さが増すおそれもある。

殺す側、殺される側、それぞれの事情を知ってしまうと抱く感情も変わってくる。1章から3章にはちょっと救いを感じる部分もあったけれど、どの章の結末にも、やりきれない思いは残った。

4章「フェイク」と5章「ジャッジメント」はキツかった。蒔絵と本田が憎たらしい。同じやり方で復讐をしても、届かない相手には届かない。復讐にも痛みは伴うのに、なんかこれじゃあ被害者側がやっぱり損だよね。

しばらくモヤモヤどんより考えてしまう。読後感はぜーんぜん良くないです!(笑)


178ページ 4行目
視先→視線

「運転者」を読みました

喜多川泰さんの「運転者 未来を変える過去からの使者」を読みました。

運をつかまえるということ、上機嫌でいること、この辺りはふむふむと思いながら読んでいたのだけれど、途中からあまりピンと来なくなってしまった。

運を貯めてもあまり使い過ぎない方がいいみたい?
結局、全部は使い切らず、次の代に渡すのがいいって言ってるのかな。宝くじで高額当選するような幸運を呼んじゃった人は、運を使い果たして次の世代が苦労するってことになるの? そうならないように人のために当選金を使えばいいとか? よくわからなかった。

蕎麦の話はじーんときたなあ。
ラストに向けて判明するあれこれもよかった。

 

電子書籍なのでページ数は参考で…。
24ページ 行きたいところ・50ページ 自分には
改行が変

71ページ 上げるようと→上げようと
98ページ 昨日,→昨日、

「塀の中の美容室」を読みました

桜井美奈さんの「塀の中の美容室」を読みました。

舞台は、刑務所の敷地内にある美容室。一般の人がお客さんとして行くことができる。美容師さんとして働いているのは受刑者で、刑期中に勉強をして資格を取り、やがてお店に立てるようになるということらしい。

各章の主人公は、それぞれの理由からこの美容室を訪れる。みんな悩みや悲しみ、つらさを抱えているのだけれど、美容室を出る頃にはちょっと気分が変わっている。

登場する人物みんながいい風に影響を与え合っていて、悩みが無くなるわけではないにしろ、各章のどれもが前向きに終わる。エピローグも希望を感じられて良かった。

刑務所の中にある美容室って、実際にあるんだね。知らなかった。


電子書籍だからページ数は意味ないか…
7ページ・20ページ
変わり→代わり
125ページ
合せ→合わせ
128ページ
向かい入れる→迎え入れる
159ベージ
係り→係
190ページ
泊って→泊まって
191ページ
男の子特有の優しさ→優しさなの??不器用さとかではなく?
191ページ
泊り→泊まり

「ギフト」を読みました

原田マハさんの「ギフト」を読みました。

3〜4ページほどの短いお話がたくさん入ってた。恋愛、友情、家族、仕事。どれも最後にはいい展開になって終わる。ちょっとキレイ過ぎるかなって気もしたんだけど、初出一覧を見たら企業のホームページやゼクシィだったので納得。

途中でどんでん返しやダークな展開を期待してしまった場面もあったので、すべてがめでたしめでたしだと何となく物足りなく感じちゃったな。