「いけない」を読みました
道尾秀介さんの「いけない」を読みました。
今まで出会った道尾さんの本にはハズレがなかったから、今回も期待してたんだけど、それでもやっぱり面白いのよーすごいな。
まず、各章どれも面白かった。先が知りたくてどんどん読んでしまうし、別の章とも繋がりがあるからそちらも気にかかる。最後は意外な展開に驚いて。更に、章の終わりには写真がくっついていて、曖昧に想像していた結末が、それによって補強されたり覆されたり。
本のはじめには使用方法があって、『写真を見ることで、それぞれの"隠された真相"を発見していただければ幸いです。』とある。これを踏まえた上で写真を見ていたにもかかわらず、読み終えてから改めて二章と三章の終わりの写真を見たら、最初には見えていなかったものが見えた。注意力がなさすぎるな私は。
そのまま2周目してみたら、発見があり過ぎてびっくり。こんなに普通に書かれているのになぜ気付かないで読んでいたんだと自分を疑ったくらい。先が気になる展開だと目が上滑りして、こまかい描写は見落としちゃうのかもしれないな。
一章の写真は何を伝えたいのかイマイチわからなかったんだけど、ゆかり荘の場所が確定すると、誰が死んだかわかるっていう意味かなあ。
最後の章は、いろいろ判明するので答え合わせ的に楽しめた。明確に言い切っていない部分も残されていて、読後に詳細をあれこれ考えられるのも醍醐味。
かりそめの不安定な平和だとしても、彼らの現状がこのまま続いて欲しいと思ってしまった。それが幸せなことなのかはわからないけれど。
面白かったー。2も出たのでしょ? 読みたい。