頭の中のあかない引き出し

毎日ちょっぴりシアワセを

「オジいサン」を読みました

京極夏彦さんの「オジいサン」を読みました。

面白かったー。72歳の益子徳一さんの日常。7日間のできごと。

日常も日常。ほとんど何も起こらない。せいぜいが数日前のことを頑張って思い出してみたり、近所の人と話したり、自分のお昼を作ったりするくらい。でも面白くて、飽きずにずっと読めちゃう。

日常をこなす徳一さんの心の動きが、よーくわかって楽しいんだよね。脳内のつぶやきやセルフツッコミ、展開しすぎてたまに哲学っぽくなる自分への分析。時間についての考察はしみじみ納得した。

読むうち、徳一さんにどんどん親近感が湧いてくる。年齢のせいか少し忘れっぽかったり、考えがループしちゃったり、最新の機械に疎くて間違った確信を持っていたりするんだけど、そういうところがすべて愛らしく思えた。

ラストもとても良かった。涙が出ちゃうくらい。

私の年齢は、先日挫折した「麦本三歩の好きなもの」の三歩ちゃんと、徳一さんのちょうど真ん中くらい。でも感覚的な年齢で言うと徳一さんの方に近いんだろうなあ。言ってることがしっくりきた(笑)。