頭の中のあかない引き出し

毎日ちょっぴりシアワセを

「パラレル・フィクショナル」を読みました

西澤保彦さんの「パラレル・フィクショナル」を読みました。

作品紹介の『予知夢を見る男と女。皆殺しの惨劇は回避できるのか? そして凶悪な殺意の主とは?』という煽り文句にノックアウトされました(笑)。

西澤保彦さんのお話は不思議設定が多くて好きなんだけど、私が大好きな「夢」が題材になっているときたらもう!

…と、かなりハードル上げて読んじゃったせいか、前半はちょっと期待通りとはいかなかった。

しょっぱなから夢の答え合わせが始まってたまらなくワクワクしたのだけれど、登場人物たちの関係性がなかなか把握できず、しばらく物語に入り込めなかった。巻頭の家系図を何度も見返しながら進めたものの、それでもうまく理解できなくてもどかしかった。

それに加えて前半は、『この理由は後回し』『その説明も後回し』『これまた後回し』と詳細が知らされない部分も多く、蚊帳の外というか置いてきぼりみたいな感覚になってしまった。

それでも、PARACT2に入り殺人が起こってくる頃には、人物の相関にも慣れて楽しんで読めた。最初は『しゅくふんとかジューテツとか言われても余計わかりづらいよ』と思っていたけれど、話が進んでくると、こう呼んでくれてることで把握しやすい面もあるなあと思ったり。

予知夢の内容と構造は、ややこしいけど驚きもあって、種明かし的な部分を読むのがとても楽しかった。結末、判明する悪意も好き。なかなか没頭できなかったのが残念だけど、面白かった。


巻頭《関係者相関図》
ありまつ→ありすえ

163ページ
金栗さんさん→金栗さん