頭の中のあかない引き出し

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「at Home」を読みました

本多孝好さんの「at Home(アットホーム」を読みました。

 

at Home (角川文庫)

at Home (角川文庫)

  • 作者:本多 孝好
  • 発売日: 2013/06/21
  • メディア: 文庫
 

映画化されると書かれていたので長編かなと思っていたのだけれど、中編くらいの長さの作品が4つ入った小説集だった。

 

■表題の「at Home」
80ページほどの作品だけれど、読み応えあった。先が気になる展開でどんどん読まずにはいられなかったし、彼らが大切な家族を守ろうとする強い思いにグッときてしまった。
長編を読んだような読後感だったもんなあ。余韻もあって。こりゃ映画化もされるよね。

■日曜日のヤドカリ
4つの中でこのお話が一番現実味のある設定だったけれど、気持ちの通い方はちょっと現実感が薄いような感じもした。お父さんと弥生さん、そんなふうに心が自然に通じるものなのかな?って思ってしまった。

リバイバル
不思議な関係。後半、嫌な感じになってきちゃったなあと思ったけれど、最後は別の角度から割といい感じに終わったのでよかった。

■共犯者たち
深いところでは理解して信頼し合っているところがよかった。ラストはキレイに片付いて良い展開だったけれど、時田さんちでのもろもろは大丈夫だったのか?と心配にもなった。

 

4作どれも面白かった。描かれていたのはいわゆる普通の家庭ではないけれど、だからこそ生まれた絆がそこにはあって、それは彼らにしかわからないし、彼らにだけわかればいいのかもしれない。
血のつながった家族だからといってわかり合えないこともあれば、他人でもわかり合える家族になれることがある。家族のかたちなんてそれぞれでいいんだよねと思った。